2008年10月27日月曜日

時刻表 多角的な判断力を養う

 「東北本線を開きます」。時刻表検定協会の小林聡事務局長が、B5判の大型時刻表でそのページを開けるのにかかった時間は、わずか5秒。手が大体の位置を覚えているのだという。

 大型時刻表は鉄道以外に航空便や船、高速バス、ケーブルカーなどの時刻や運賃も紹介。地図では「周遊おすすめ地」を薄緑で示し、旅館やホテルの特徴、料金も載せている。情報量が膨大なだけに、使いこなすには訓練がいる。

 その成果を試す場が99年に始まった時刻表検定。時刻表そのもののほか電卓が持ち込める。定番の問題の一つに、列車名や発着駅を隠したJRの切符の図から、運賃などを答える問題がある。

 たとえば、乗車券、特急券、グリーン券を1枚にまとめた切符に「6号車」とあれば、6号車にグリーン車がある列車は何か、時刻表の「編成表」を見て絞る。

 じっくり考えている時間はない。試験は3~5級取得の第2種が90問、最高ランクの「博士」と1、2級を目指す第1種は60問。いずれも90分。次から次へと問題を解かなければならず、受けるだけでくたくたになる人も多い。

 昨年は、試験当日の夜9時半以降、前橋駅から京都駅に向かう人は最も早くて翌日何時に着くか、四つから選ぶ問題も。東京経由で新幹線やバスを探した人は、まだまだ。正解は高崎から上越新幹線で長岡に行き、夜行で京都を目指す逆回りのルートだった。

 「時刻表に親しむことで算数や地理のほか、多角的な見方、判断力が養われる」と小林さん。「しかもダイヤは永遠ではなく、時事ネタのように常に動いている。だから求道心がわいてくるのかもしれません」


来月16日、検定試験

 今年の時刻表検定試験は11月16日、全国18会場で行われる。第2種は午前10時~11時30分、第1種は午後1時~2時30分。各200点満点。第1種で180点以上の博士はこれまで約100人誕生したが、満点はまだいない。

 東京会場では、JR東日本管内の駅弁や鉄道グッズも販売。問い合わせは時刻表検定協会(03・3360・2096)へ。受験手続きは協会ホームページ(http://www.jikokuhyo.gr.jp/)でもできる。
出典:朝日新聞